価値の変化


☆価値の本質とは何か。

ここに10㎏の金塊(延べ棒)があるとします。
この金塊と 海上に浮かぶ流木とは どちらが価値があるでしょうか。
多くは、金塊だと判断することでしょう。
しかし、船が沈没し、海に投げ出されたときは どうでしょうか。
10㎏の金塊は重く、力尽きれば溺れることになります。
生きながらえるには、金塊よりも流木(りゅうぼく)が価値あるものです。
このように価値とは、立場や状況によって変化します。

以下に、牧口初代会長の価値論から、「価値の変化」に関する記述を抜粋します。



○価値は変化する。

ここに木炭が十俵あり、冬に五俵を使って あと五俵残ったとする。
冬の初めには相当の価値があった木炭も、夏になれば 評価主体には何の役にも立たない無価値のものになった。
勿論 次の冬の到来を予測し、この意味では未来の価値を約束されているものの 少なくとも盛夏の季節に 暖を取る目的に於いては無価値である。
次いで 冬が来ると 再びこれが 暖を取る目的に於いて 価値を有することになる。
何ら価値のないものとして放棄されて顧みられないものでも、人により 時代により 場所によって 価値が生ずることは、我々の常に経験する所である。

例えば 瓦の破片のごとき、瓦としては何の役にも立たないものでも、もし 凹地の埋め土として使うならば 僅かばかりでも 役に立つこととなる。
即ち 一定の目的があった場合に於いて、初めて価値を生ずるのである。
これに反して、目的に不相応であれば 反対に邪魔となり、従って有害なる反対の価値が発生する。
しかし これは その個人によってのみ無価値な存在であって、他の人にとり 又 社会にとって 必ずしも無価値でないことはいうまでもない。

尚 炭は灰となってしまった時、今まで持っていた価値を失って、暖を取る意味において何ら 主観を引きつける力を持たない。即ち価値を失ったのである。
しかし灰は 肥料として別の価値を有する。
このように 価値の有無は 絶対的なものでない。

○善も変化する。

ランプは、明治時代には非常に重宝がられたものだが、電燈が普及した現代には 殆ど 一顧の価値ももたない存在となったばかりか、どの家庭でもかえって邪魔もの扱いされている。
価値の特質として、利益という場合、目前の小 利益から 一生一代の大利益まで 無数の段階がある。
同様に 害も 一時的な小 害から、生命に及ぶ大害がある。
善悪は、 時間的空間的な拡がりによって 大小が決定される。

その当時は 善であったとしても、行為が時間の経過とともに悪と評価されるは小善であり、幾十年、幾百年の後までもゆるぎのないものは大善である。
小さな社会で善と判断される行為が、それよりも更に大きな社会から見れば悪と表現される如きは小善であり、世界人類に共通する善行は大善といえるのである。
かくて小 善が 大善に対するときは悪と判断され、小利(しょうり)が 大利(だいり)に対するときは損と判断される。
即ち 東京都において善であっても日本国に害となる行為は悪であり、日本国家において善行となされても 世界人類を害する行為は 悪と判断されるのである。

次善は悪である。
大善に反対するすべての中善、小 善はみな悪となる。
あたかもローソクもランプも それぞれの効用はあるが、電燈が表われたら すべて無益となるばかりか かえって邪魔になるから 火を消して どこかに片づけてしまう。
さらに 太陽が出ると 電燈も邪魔になるから消すのと同様に、今まで善と信じられていたものでも それ以上の大善が出現するときにおいては 素直にこれに従うべきであり、従うことができないで 自己以上の大善に反対し嫉妬するがごときは 善が変じて 大悪となるのである。



(以上、第三文明社 価値論 より)

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by sokanomori3 | 2014-02-12 22:42 | 牧口常三郎先生 | Comments(3)
Commented by 千早 at 2014-02-13 00:22 x
価値論の内容って初めて知りました。
利 善 美は聞いたことがありましたが、価値の変化って本当、おもしろいですね。
かいつまんで書いてくださっているので、わかりやすいですが、そのまま全部読むときっと難しいんでしょうね?
Commented by sokanomori3 at 2014-02-13 06:38
この価値論は哲学書なので難しいですが、とても味わいのある、とても大きな人間性を感じる書物です。そして、牧口初代会長がいかに頭脳明晰で 立派な人かも伝わってきます。
牧口初代会長が、人類の幸福を願い思索に思索を重ねられ、研究に研究を積み重ねられ、その尊厳なる人生が、偉大な仏法の発見となられた‥
自分の価値とは何か。
自分という価値を最大に開花させうる人生とは何か。
その理念と行動の道が、この価値論に書かれています。
ともかく牧口先生の先駆で創価学会は生まれました。
感謝以外にありません。
★菊川広幸
Commented by ちよ at 2014-02-13 17:38 x
是非 牧口先生の三笠小時代の事も、書いてください

「自己以上の大善に反対し嫉妬するがごときは 善が変じて 大悪となるのである。」

おー 怖い怖い


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