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日本点字図書館見学記 2


☆金倉さんとの出会い。

以下に、日本点字図書館の触知案内図の写真を添付します。
日本点字図書館見学記 2_b0312424_6125719.jpg

写真解説.「エレベータ近くの壁に設置されている触知案内図(触って確認する見取り図)の写真です。A4用紙ほどの大きさで、避難路、部屋のレイアウト、トイレなどが表示され、点字で名称が記されています。写真は2階案内図」

前回の記事は、→ここをクリック!

日本点字図書館は、東京都新宿区高田馬場にある。
高田馬場駅から徒歩5分の位置。
視覚障がい者を支援する社会福祉法人で、点字図書・録音図書や録音雑誌などを、全国および海外の視覚障害者へ無料貸し出ししている図書館である。
創立者は本間一夫氏。
1940年(昭和15年)11月10日、本間氏は豊島区雑司ヶ谷の借家に「日本盲人図書館」を創立した。今の日本点字図書館である。
本間氏自身、幼少期に失明した視覚障がい者であった。
この図書館は、現在、国内有数の視覚障がい者支援サイトである。
館内見学においては、金倉さん(仮称)という女性が案内をしてくださった。
(あえて、実名を伏せさせていただきます)
冒頭、「お金はありませんが、金倉と申します。宜しくお願いします」とユーモアを交え、けれどとてもまじめに挨拶をされた。
ハッとするような挨拶に気持ちが和らいだ。
エレベーターに乗り、上階に案内された。

最初は館内案内図の説明であった。壁に掲げらた平面図は、視覚障がい者が指先で触って確認できるように凸凹に作られている。
視覚障がい者の場合、最初に館内のレイアウトを知っていただくという。
次に、会議室に通された。窓の向こう側に、鎖が間近に見えた。
「この窓の外の鎖は、滝をイメージして作られています。視覚障がい者に滝の如く情報を与えたいという願いが込められています。ステンレス製の鎖で、全部で26トンの重さがあります。台風の日には鈴のような音色がします。丸い穴は、火災の時などに消防士が入る入口です」とのこと。
私は人の拳ほどもある大きな鎖を眺めながら言った。
「26トンですか、凄いですね。丸い穴、そういう意味ですか。でも、その穴が建物のアクセントになっていますね。素晴らしいデザインです」
金倉さんは、こと細かく説明をしてくださった。
「建物の箱の部分は国の補助金で作られましたが、中身は補助金ではありません」
「この図書館は、昭和15年に日本盲人図書館として創立され、当時、700冊の点字図書の貸し出しからスタートしました」
「現在、職員60名、パート70名、ボランティア400名が働いています。でも、運営費が十分に賄えず、年間の営業日数を減らさざるをえなくなりました」
「運営費はどのように賄っているのですか?」と聞いてみた。
「財政の悪化から国からの補助金が減少し、昨年は赤字になりました。財源は、国からの補助金が20%で、その他は書籍や物品の販売やコンサートチケットの収益、寄付金でまかなっています」
冒頭、「お金はありませんが」との挨拶に加え、図書館の財政困窮が印象に残った。
聞きながら、「ささやかでも寄付しなければならない」と思った。
金倉さんは、年齢は私より年配であられる。
とても清らかで礼儀正しい人である。その説明の声は、凛としていてる。
私にとっては、1つ1つの情報が どれも驚きで新鮮だった。

次に見学したのは、中途失明者の点字学習室であった。
ここでは、ボランティアの人たちが、点字の読み方、書き方を教えているのだという。
「この点字をマスターするのに、どのぐらいの期間がかかりますか?」と聞くと、「3年程度」とのこと。勿論、早い人はいる。しかし、遅い人は3年もかかるらしい。
実際に、指先からザラザラとした点字を文字と認識し、読めるようになるのは大変だろうし、また、点字で文章を書くのは、逆方向で作るのであるから、これも忍耐強い訓練が必要であろう。その訓練を、ボランティアの人たちが無償で支えているのである。
また、パソコン音声化ソフトを利用して、インターネットやメールの利用ができるよう 1対1でパソコンの操作指導も行われている。
ボランティアは晴眼者だけではない。視覚障がい者のボランティアスタッフも混ざっている。
数年もの長きにわたり、文字の読み書きを支援するボランティアたち。
その現実を鮮明に伝えようとする金倉さん‥
私は 説明をじっと聞き入った。
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by sokanomori3 | 2014-07-06 21:45 | 日本点字図書館見学記 | Comments(1)
Commented by 千早 at 2014-06-30 23:05 x
日ごろ何気なく利用している日本点字図書館、こうして聞くと勉強になりますね。
創立者が視覚障害者だったなど、知りませんでした。
創立者やそこで働く人達の思いやご苦労をあまり想像していなかったことに再度反省。
恩恵を受けてきたのに。


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