映画・樹木希林(きききりん)の「あん」
☆心に残った徳江の人生.
以下に、映画「あん」の小冊子の写真2枚を添付します。


1枚目の写真は「あん」の小冊子の表紙。花咲く桜の木の下で、主演者2人が佇み空を見上げています。
2枚目は「どら春」と書かれたシールが張られた透明の袋に収められたどら焼のアップ写真です。
本年2月、樹木希林(きききりん)さんについて書いた。
当時の記事は、→ここをクリック!
4月、新聞の片隅に見つけた希林さんの記事から、「あん」というハンセン病患者の映画が6月に見られることを知り、6月度のメモ帳に「樹木希林」とだけ、書いていた。
先日、その4文字を見て、「何だ、これは」と首を傾げた。
「きききりん」と読めず、「じゅもくきりん」とチンプンカンプン。
何か意味があるに違いない。しかし、何だったか‥
数日後、「きききりんさんの映画だ!」と気付いた。
仕事帰り、新宿の小さな映画館に出向いた。「あん」を見るためだった。
前売り券は全て完売。立ち見券が売られていて1000円で購入した。
狭く小さな映写室である。スクリーンが小さく迫力がない。
普通の始まり。奇をてらう部分は何もない。皆、何を期待してここにいるのだろう‥
満席の100人と立ち見の10人。あわせて110人が1つのスクリーンを見ていた。
樹木希林さんの演技か、あるいはハンセン病という世界への興味か。映画の「やり残したことはありませんか?」というキャッチフレーズか。
「あなたはなぜ見たのか」ですって?
生き馬の目を抜くような修羅の世界に嫌気がさしましてね。
この映画で心を洗いたかったんですよ。
映画の主人公は樹木希林さんだとのこと。
けれど、もう2人、主人公がいる。俳優・永瀬正敏(ながせまさとし)さん、それと15歳の女子中学生を演じる内田伽羅(うちだきゃら)さん。
この3人が、3人共に主人公に見えました。
1人はハンセン病の高齢者「徳江」、1人は心に傷を持つどら焼店長「千太郎」。
そして1人は、温かみのない家庭に悩む中学生の女子「ワカナ」。
皆、悲しみを背負って生きている人たちばかりです。
けれど、樹木希林さんが演じる徳江だけは明るい。息が詰まるような生活の中で、徳江だけは太陽のよう。さらに言えば、春風のように瑞々しい。
物語は、徳江が作る「餡(あん)」の美味しさでどら焼店が繁盛するが、徳江がハンセン病とのうわさが広がり、売上は低迷。結果、徳江は身を引く。
やがて徳江は高齢で死去。残された千太郎とワカナがそれぞれの人生を生きる。
映像、音楽、どれも平凡でした。
お金のかかっていない映画です。しかも物語に意外性はありません。
たんたんと進み、たんたんと終わる。
普通の邦画です。昔からの。
しかし、だからこそ、出演者の存在感は大きい。
見終わって、じわじわと歓喜と希望が広がりました。
何より、樹木希林さんが演じた徳江の晩年の生き方は理想ともいえる生き方でした。
私に、新しい憧れが生れた。「この老婆のように生き、そして死にたい」
購入した冊子「あん」オフィシャルブックには次のような問いかけがあります。
ハンセン病の元患者の生涯を背景に、生きることの意味を問う小説を書こうと思ったのは、もう20年も前のことでした。
私がラジオの深夜放送の中で、「社会の役に立つ人間になりたい。そうじゃないと生まれてきた意味がない」と聞いた。
誰からも否定されないであろう立派な言葉だ。
では、重い障がいがあり、寝たきりの人。歩けるようになる前に亡くなってしました幼児。
社会の役に立つことが人の存在価値になるなら、そうした命には生まれてきた意味はないのだろうか?
「社会の役に立つ人間になりたい。そうじゃないと生まれてきた意味がない」という言葉は100%肯定できる言葉でした。けれど使命が見つからない間は、意味のない人生に感じるものです。
私は、他を幸福にするという一点が加われば、意味ある人生に変わると思っています。
そして、どんな立場だろうと、どこに住もうと、人は必ず「役に立つ人間」になれるし、なるべきだ‥私はこの映画から、そのことを再確認いたしました。
樹木希林さんはステキでした。こころの洗濯、できました。
あんの別記事は、→ここをクリック!

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by sokanomori3
| 2015-06-07 08:14
| 良死の準備
|
Comments(2)

じゅもく わずかなはやし(ちなみに、「希望」は訓読みでは、わずかなのぞみ。になるそうです)
なんでしょうね。これ
なんか仏教用語にありそうですね(笑)
樹木希林さんは、この映画で、孫(娘の内田ヤヤコさんの娘)のキャラちゃんと共演が出来て
「もう悔いないから死んでもいい。葬儀は婿殿(おくりびとの本木さん)に全部任せます(笑)」
と言ってました
なんでしょうね。これ
なんか仏教用語にありそうですね(笑)
樹木希林さんは、この映画で、孫(娘の内田ヤヤコさんの娘)のキャラちゃんと共演が出来て
「もう悔いないから死んでもいい。葬儀は婿殿(おくりびとの本木さん)に全部任せます(笑)」
と言ってました
樹木希林さんはとっても好きな女優さんです。
この映画、本当にステキでした。
思い残すことがないぐらいに活躍しましたね。^^
★菊川広幸
この映画、本当にステキでした。
思い残すことがないぐらいに活躍しましたね。^^
★菊川広幸
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