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「新・終わった人」のシナリオ


☆私版の「終わった人」


以下に、小説「終わった人」の表紙写真を添付します。
「新・終わった人」のシナリオ_b0312424_23345773.jpg

写真解説「本の表紙に、花束を持った背広姿の男性のイラストが描かれています」

定年60歳の3年も前から、私は引退を表明した。
27歳で転職して以来30年を経て、いよいよ残り3年となって、
「上申書」を会社に提出し、60歳以降、会社に残らないことを宣言した。
その決意の背景には、いくつかの理由があった。

1つは、27歳から30年も、企画・研究業務のトップだったし、
いつまでも威張っていては後輩が可哀そうだ、ということ。
醜い「椅子取りゲーム」をしたくないということ。
そんなことをするなら「引退したい」のです。

2つに、能力に陰りが生じていたことである。
ピークのころからみれば、格段に能力(集中力)が低下していた。
往年の燃えるような熱意、負けたときの悔しさなどが消えて、
プライドという角もとれて、優しくなってしまった。
そう、この優しさこそ、ビジネスにとっての障害である。
貪欲な野心が、ビジネスにとって必要なのだから。
この能力の変化から、企画部門の責任者でいられないと思った。
60歳までは何とかやれても、以降は継続できそうもない。
「濡れ落ち葉になる」ことだけは避けたかった。

3つに、やりたい仕事がやれないことだった。
会社には貢献した私だったが、その過去の経歴が邪魔をして、
若いメンバーが私を使うことはできない。偉くて使えないのである。
加えて、会社幹部になって会社オーナーばかり見るようになった。
お客様のために生きられなってしまった。
そんな仕事が面白くなかった。

4つに、実家で一人暮らしする母の親孝行がしたかった。
私の人生において、唯一、したくてもできなかったこと、
それが「母のそばにいてあげること」だった。
年老いていく母の支援をするために、
私は料理や大工を学び始めた。
そして介護技術も身に付けたいと思うようになった。

5.その親孝行という夢を現実のものとするため、
私は「介護」の仕事をしようと決意した。
特別老人ホームなどで仕事したいと考えた。

今生の自分という人生のドラマを演じるのは
他でもなく自分自身であるし、「やりたいこと」を
「やってみる」という積極性こそ大切だと気付いた。
リスクを恐れ、石橋を叩いても結局渡らず、
川の向こうを永遠に見ることがなく終わるというのは
自身の人生を振り返る時、きっと悔いを残すだろう。
勿論、年齢も環境も考えて、のるか反るかの勝負はいただけない。
ある程度、失敗しても損害が小さく収められる程度の、
人生を踏み外さない夢ならやるべきだ。

ついに私は予定通り、59歳の最終日に33年間の職務を終えた。
そして、その翌日、60歳から老人ホーム勤務になった。
給与は半減し、疲労は3倍に膨れたが私は挫けなかった。
一心不乱に仕事を続けた。愚痴は一切言わなかった。
そうして63歳になって、私は「介護福祉士」を受験し合格する。
この転職から3年余の間に、家事にも積極的に挑戦した。
洗濯、アイロン、掃除、調理、大工をマスターした。

この技術は、茨城県に同居する家族にも何かしら役に立つだろう。
いつか年老いる私の他の家族をも救えるであろう。
こうして、準備を終えた私は、ついに故郷に帰ることになった。
年齢が65歳に達し、年金受給が始まったからだ。

私は故郷で中古車を買い、1年のうち4回帰郷するようになった。
正月、4月、7月、9月である。
そのうち、4、7、9月は一ヶ月まるまるの帰郷だった。
この3ヵ月を、目一杯親孝行に当てた。
私は残りの9カ月を茨城県で過ごし、パートで現金収入を得た。
私は、調理から掃除、家の簡単なリフォームもした。
母親と散歩をし、一緒に会合にも出席した。
こうして弱っていく母に寄り添い続けた。

やがて母年老いて来世に旅立った。
私は葬儀で笑顔で語った。
「悔いはありません。100点満点です」

これが、私の「これからの人生」のシナリオです。
このように歩めるかどうかは分かりません。
でも、この道を歩もうと思うのです。

以下に、映画「終わった人」の感想を示します。
sokafree.exblog.jp/29048124/



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by sokanomori3 | 2018-12-30 08:19 | 良死の準備 | Comments(0)


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