続・17文字に人生を濃縮してみる

☆人の好みは十人十色.

9月、俳句会に投稿した句を先日４つご紹介しました。
その選考会で、私の俳句が高評価をいただきました。

評価を頂いたのは以下の４つの俳句です。

訪れる　人なき墓の　曼珠沙華（まんじゅしゃげ）.
天の川　死せば　三途の川となり.
荒城の　石垣照らす　金の月.
満天の　主亡き夜の　星明り.

投稿は一人5句限定ですが、5句中4句が評価されたことは
俳句会史上記憶にありません。
しかも、評価されなかった残りの一句、
＞貝の殻　海鳴り残す　夏の果て.
これを、講師が並べ準を変えて、
「これなら良い歌になります」とのこと。

＞夏の果て　海鳴り残す　貝の殻.

なるほど、これで名句になりましたね。
もし、この正解句で投稿できていたならパーフェクトでした。
俳句会を続けて1年半、私も少しは成長しているようです。

その中で、私としては意外だったのですが、「荒城の石垣照らす金の月」が
多くの人たちから評価を頂き、「特選句」になったのです。
月が城跡の石垣を照らしている風景を単純に描写したものですが
「金の月」の表現が、この句を際立たせている
とのことで、まさかの「特選」でした。

俳句は17文字で、とても短い文章ですから、
どういう単語を使うかはことさら重要になります。
「金の月」を「秋の月」「おぼろ月」「赤い月」などに
変えると印象はまったく違ってきますね。

この歌は、私の田舎の城跡を思い浮かべ作ったものですが、
その創作の心理は、過去に勤め上げた会社の33年間の苦労を「荒城」に譬え、
その労苦に耐え、頑張った自分を称賛する意味で書いたのです。
金の月（金メダル）をご褒美として、自分が自分に
与えたという、そんな歌なのです。

評価くださった方々は、それぞれ感じる何かがあったのでしょう。
でも、その心情は誰も知らないし、この一句を単純に見れば、
自分としては出来がよいとは思っていませんでした。

このようなことはよくあることで、自分では何とも
思わない作品が高評価になったり、自分では
すごく良いと思う作品が見向きもされない
ということがあるものです。

まさに人の好みは十人十色ですね。


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