乙御前御消息（2021年3月度座談会御書）

☆ 別名、身軽法重抄に学ぶ.

（べつめい、しんきょうほうじゅうしょうに　まなぶ）

2021年3月号大白蓮華（だいびゃくれんげ）乙御前御消息（おとごぜんごしょうそく）
別名、身軽法重抄（1221ページ）のひらがな文と原文を示し、
背景と大意、所感を申し上げます。

○ひらがな文.

いよいよ　ごうじょうの　おんこころざし　あるべし.
こおりは　みずより　いでたれども　みずよりも　すさまじ.
あおき　ことは　あい　より　いでたれども　かさぬれば　あい　よりも　いろ　まさる.
おなじ　ほけきょうにては　おわすれども　こころざしを　かさぬれば　
たにん　よりも　いろ　まさり　りしょうも　あるべきなり.

○原文.

いよいよ　強盛の　御志　あるべし.
冰は　水より　出でたれども　水よりも　すさまじ.
青き　事は　藍　より　出でたれども・　かさぬれば　藍　よりも　色　まさる.
同じ　法華経にては・　をはすれども　志を　かさぬれば　
他人　よりも　色　まさり　利生も　あるべきなり.

○背景と大意.

建治元年（1275年）8月4日、日蓮大聖人　54歳の御時、
身延から鎌倉の乙御前の母「日妙尼」に与えられた御書です。
別名を身軽法重抄（しんきょうほうじゅうしょう）といいます。

女性の身で鎌倉から佐渡まで大聖人を訪ねた娘・乙御前の純真な
信心をたたえられ、「いよいよ強盛の志を起こしていきなさい。
信心を重ねれば生命の輝きが増し、利益（りやく）も
あらわれるのです」と励まされています。

以下に、本抄の特徴的な御文を示します。
「軍（いくさ）には　大将軍を魂とす　大将軍をくしぬれば　
歩兵（つわもの）臆病なり」
「必ず　心の固きに仮りて　神の守り　則ち強し」

当時、蒙古が攻め込んできたことで国中の人々が大混乱していました。
このことについて、法華経の行者である大聖人を
迫害した罰であると述べられています。

○所感.

今、日本のみならず、全世界的にコロナが大流行し、生活がひっ迫し、
教育の停滞、あらゆる交流に弊害が出ています。
ジレンマの中で、民衆もマスコミもヒステリックになり、
毎日、暗いニュースばかり流れています。

大聖人の時代から800年、くしくも国難の時代となりました。
今、会合はラインを使う方法が主流ではありますが、
その中でも「いよいよ強盛」に信心根本で
歩めるかどうかが問われるのだと思います。

巻頭言で池田先生は「東日本大震災より十年」と述べられています。
あの大震災から「まさか」の連続が続いています。
それでも耐え忍び、信心の灯を護り、励ます・・
学会創立100周年に向けて次の10年が始まった今、
真剣な戦いを個々、起してまいりたい。

宿業に翻弄され、様々な悩みが人生を襲いますが、けれど
「必ず心の固きに仮りて神の守り則ち強し」です。
信心とは信じる心のことです。功徳は確信の祈りからしか生まれません。
迷い、不信になれば功徳は得られません。

この功徳溢れる仏法と、偉大な師匠とありがたい組織を知らず、
分からず、活用できない人々を一人でも多く励まし、
一生成仏の軌道に導く必要があります。

さあ、聖教新聞を読み奮い立ちましょう。お題目を唱えましょう！
仏界を呼び起こして、大前進いたしましょう！

以下に、乙御前御消息の過去記事を添付します。
→sokafree.exblog.jp/26947046/

ひらがな御書の異体同心事交互文と背景と大意を示します。

→hiraganagosho.web.fc2.com/b1218
→hiraganagosho.web.fc2.com/c1218


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