EU離脱に失望した英国民（参考資料）

☆ジョンソンはウソつき？

以下に、2021年12月の読売新聞から抜粋します。

＞英国のEU（欧州連合）離脱が完了して丸一年になる。
いまのところ離脱推進派が描いていたバラ色の未来はもたらされず、
混乱と失望が先行している。

2021年12月18日、英国・デビッド・フロストEU離脱担当相が突然、辞任した。
ジョンソン首相の側近の一人で、2019年から対EU交渉を続けてきた。
辞表に「私の懸念を首相はご存じでしょう」と書いている。
背景に英領・北アイルランドの問題がある。
離脱移行期間が終わり、以来、北アイルランドと英本土との
間で荷物の通関検査が必要となり物流が混乱。
春には北アイルランド住民の暴動が起きた。
フロスト氏はその対策にジョンソン氏と対立していた。

EUを離脱すれば、移民の受け入れや国際貿易の規制から
解放されると離脱推進派は唱えてきた。
しかし、離脱実現後はプラスよりマイナスが目立つ。

離脱後、移民制度において就労要件を厳しくした。
EUからの低賃金労働者を減らし、英国民の
働き口を増やす狙いだった。ところが
実際に起きたのは慢性的な労働者不足だ。
トラック運転手がいなくなり、スーパーの商品棚から
品物が消え、ガソリン供給も滞った。物価高や
事業コストの増大が英国企業の競争力を奪っている。

EUとの間で、輸出入の手続きが増加し、貿易量も減った。
英国の10月の貿易量は15.7％少なくなっている。
今まで指導力を発揮してきたジョンソン首相は、
離脱の恩恵を国民にアピールできず、さらに
コロナウイルス問題で支持率が急低下している。

EUとの交渉は難航し、ジョンソン氏は「合意なき離脱」も辞さず
との強硬姿勢で交渉に臨み、結果、EU側から譲歩を
引き出して膠着状態を打開した。このことで
2019年12月の総選挙でジョンソン氏は総選挙で大勝、
一時は70％を超える支持率を記録した。

だが、今年12月の世論調査では42％の国民が
「離脱は否定的な結果をもたらした」と考えているという。
国民はEU離脱の熱狂から距離を置き始めた。

2021年12月の下院補欠選挙では、牙城とされてきた選曲で惨敗した。
首相の支持率は過去最低の20％台に沈んでいる。
与党議員の間では、ジョンソン氏に代わる
「選挙の顔」を模索する動きが出ている。

（昨年の2021年12月30日読売新聞より）

何を根拠にEU離脱を「バラ色の未来」と言ったのだろう。
妄想なのか、それとも空想だったのか・・

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